マレーシアの東方政策が日本の大学の海外展開を加速させるか

マレーシアのマスズリ・マリク教育相は2018年11月、日本の高等教育機関3校が近い将来、マレーシアにブランチキャンパスを設立する計画があることに言及した。マレーシアのMalaysia Reserve誌が同月に報道したもので、これが実現すれば、日本の大学が初めてマレーシアに海外のブランチキャンパスを開校することになる。

マレーシアは、高等教育国際化政策(Internationalisation Policy for Higher Education Malaysia 2011)のもと、アジアの国際的な教育ハブになることを目指し、2020年までに高等教育機関に在籍する留学生が学生全体の10%以上となることを目標としている。この計画は着実に進んでおり、2017年現在、マレーシアに外国大学のブランチキャンパスが既に16校設立されており、アラブ首長国連邦(42校)及び中国(39校)に続いて国際ブランチキャンパスが最も多い国の一つでもある。

日本の大学のマレーシアへの進出をさらに後押しするのが「東方政策(Look East Policy)」の再活性化である。東方政策は、マレーシア国籍の学生等を日本の大学、高等専門学校、産業界等に派遣するなど、日本から学ぶことを目的としてマハティール首相が1981年に始めた政策である。その後、東方政策は低迷したが、2018年に再び就任したマハティール首相は、2018年6月12日の日・マレーシア首脳会談で、東方政策の再活性化について表明した。また、同年7月の日・マレーシア外相会合及び11月の首脳会談では東方政策の再活性化について確認された。

その一方、日本国内でも国際的な流動性の高まりや学生の学びの多様化を背景に高等教育の質保証を担保しつつ大学の海外展開を促進するための方策の議論が進んでいるが、校地校舎の自己所有や収容定員管理など、国内での教育活動と同等の条件が海外校の設置にも同様に適用されるのが現状であり、外国での教育活動にあたって困難な条件と指摘されている。そうした点を踏まえ、「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)」(2018年11月)では、高等教育機関の海外校の設置における校地校舎の自己所有や定員超過率に関して運用改善を図り、海外校の設置を促進することが示されている。

原典:Malaysian Reserve(英語)、Internationalisation Policy for Higher Education Malaysia 2011(英語)、在マレーシア日本国大使館外務省文部科学省

Cross-Border Education Research Team(英語)(C-BERT Branch Campus Listing. [Data originally collected by Kevin Kinser and Jason E. Lane]. Available: http://cbert.org/resources-data/branch-campus/. Albany, NY: Author.)

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