ドイツのアクレディテーション、電子申請が可能に。制度選択の幅も広がる

ドイツでは、高等教育の質保証制度として、プログラム・アクレディテーションとシステム・アクレディテーション※1の2つの枠組みが実施されており、高等教育機関はどちらの枠組みを選択してもよい。ただし、システム・アクレディテーションを受けるためには、一定の要件を満たしている必要がある※2。2016年に連邦憲法裁判所が、アクレディテーションに関する内容や手続き等について、法律による規定が不十分であるとの判断を下したことを受けて、2017年にモデル法令が制定(本サイト2018/1/30投稿記事)された。法整備とともに質保証制度の見直しが継続的に行われており、本年も改善がなされている。

電子申請システムの運用が開始

2019年6月4日(火)、ドイツアクレディテーション協議会(GAC)がドイツのボンで開催した第100回協議会において、電子情報および申請システム「ELIAS」を通じた申請手続きのデジタル化をほぼ完了したとの発表がなされ、2つのアクレディテーションの枠組みにおいて電子申請が可能となった。新システムを導入して初めての申請期間においては、プログラム認定のための申請が11件、また、同年9月には86件あった。申請書類は点検された後、協議会へ提出される。適格認定されたプログラムや機関は、自動的に認定機関データベースに掲載されることとなり、このデータベースは、GACのウェブサイトにおいて公開されている。

のアクレディテーションの枠組みを選択することも可能に

同会議では、先述の2つの枠組みに加えて、大学が独自に選定した代替的手法によるアクレディテーションの実施が可能となるよう、関連規則の決議も行われた。代替的手法によるアクレディテーションの実施にあたっては、大学は、アクレディテーションの申請前に、 GACに対して代替的手法によるアクレディテーションの申請を計画している旨を知らせる必要がある。その後、大学はGACと面談し、申請に基づき審査が行われる。代替的手法の実施について承認が大学に与えられた後、代替手続きの実施に関する詳細が、GACと申請大学との間で締結される協定に定められる。協定に定められるべき内容は以下のとおり。

  1. 大学の義務
  2. GACの義務
  3. GACとの協働
  4. 個別の取決め事項
  5. 手数料の額と支払期限

代替的手法によるアクレディテーションの実施が認められた大学には、GACから認定印が付与される。これにより、大学は教育プログラムを自己認定する権利を得たことになる。代替的手続きの認定期限は最長8年であり、認定の期限は条件付きとなる場合がある。

代替的手法は承認された時点において、2つの枠組みと同様、内部質保証及び外部質保証の両面から、「欧州高等教育圏における質保証の基準とガイドライン(ESG)」(NIAD-QE国際連携ウェブサイト)を遵守していると見なされる。

なお、2016年にGACが代替的手法の提案を募集し、4件採択している(本サイト2016/5/31投稿記事)。採択された手法には、学部教員が行うプログラムレビュー(プフォルツハイム大学)や欧州高等教育圏において共通する観点を用いた評価(ブレーメン大学及びジーゲン大学)等があり、これらは3年程度の試行期間を設けたプロジェクトとして実施されている。

※1 教育プログラムを対象として評価を行うプログラム・アクレディテーションに対し、システム・アクレディテーションは、高等教育機関を対象として実施されるものであり、教育プログラム実施のための内部質保証プロセスの信頼性を評価することを意図している。質保証制度の詳細については、当機構刊行物「諸外国の高等教育分野における質保証システム:ドイツ(第1版)」(日本語)参照。
※2 システム・アクレディテーションを受けるための要件については、上記刊行物29ページ参照。

原典①:GAC(独語)
原典②:GAC(独語)
原典③:GAC(独語)

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