正式名称
Internationalization Strategy Advisory Service 2.0 (ISAS (2.0))
実施主体
国際大学協会(IAU)
1950年に設立された、ユネスコを母体とする世界的な高等教育機関の協会。事務局はパリのユネスコハウス。
実施年
ISAS(2010~2016年)、ISAS (2.0)(2016年~)
概略
国際大学協会が、高等教育機関の国際化戦略の分析と明確化を通して、専門的アドバイス・最新情報提供・カスタマイズ戦略の提案を行うサービスである。2010年から2016年まで行われていたISASに代わって導入された。以下の3つのサービスで構成されている。
- ・高等教育機関を対象とした国際化戦略のアドバイス
- ・高等教育機関及び高等教育機関における個人を対象とした、国際化のための個別学習の促進
- ・政府や団体、機関を対象とした、高等教育の国際化のための戦略や政策の提言
高等教育機関を対象とした国際化戦略のアドバイスに関しては、4つのサービスに分類され、「計画と戦略」、「戦略の審査と達成度の測定」、「特定の分野における国際化」、「包括的な国際化の達成」がある。それぞれの期間は6~12か月間であり、無事に完了すると「IAU internationalization learning badge」が授与される。
【サービス利用機関数】
ISAS:8か国、11機関(日本、ケニア、リトアニア、ペルー、ボツワナ、ベトナム、ガーナ、バングラデシュ)
ISAS (2.0):5か国、7機関(インド、日本、イタリア、ロシア、イギリス)
[ISAS (2.0)の4つのサービスごとの利用機関数]
- ・「計画と戦略」:2機関
- ・「戦略の審査と達成度の測定」:2機関
- ・「特定の分野における国際化」:0機関
- ・「包括的な国際化の達成」:3機関
また、高等教育機関及び高等教育における個人を対象としたサービスに関しては、高等教育機関の職員向けに、高等教育の国際化戦略の策定や測定に必要な知識、スキルを身に付けるためのワークショップやウェビナーを開催している。
2021年3月には、ISAS及びISAS(2.0)サービス利用機関を対象としたインパクト調査を実施し、報告書が刊行された(下記「参考資料」を参照)。
原典リンク
https://www.iau-aiu.net/Internationalization
参考資料
「ISAS IMPACT EVALUATION SURVEY 2020 REPORT」(2021年3月): 国際大学協会が、ISAS・ISAS(2.0)のサービスを利用した機関に対して行ったインパクト調査の報告書。調査対象17機関中、12機関が回答。本調査は、当サービスが、対象機関の国際化の進展に与えたインパクトを把握し、今後のサービス向上に役立てることを目的としている。調査はオンラインアンケート及びインタビューにより行われた。
【調査領域】
①全体的な国際化の傾向 ②明文化された使命/戦略計画 ③リーダーシップ、ガバナンス、組織、人員 ④国際化のための財源 ⑤カリキュラムの国際化/学内の国際化 ⑥オンライン・遠隔教育 ⑦人材、スタッフ・ディベロップメント ⑧学生の移動 ⑨国際交流・連携
各領域について、アンケート集計結果やインタビュー結果の概要がまとめられている。例えば、①において「ISASサービスが自機関の国際化の進展に寄与したか」の問いに対し、回答機関の25%が「顕著に進展」、67%が「適度に進展」との回答が紹介されている。