韓国:2021年教員養成機関能力診断評価結果公表―約1,190人の養成定員削減へ

韓国教育部と韓国教育開発院は教員養成機関能力診断評価(対象:教育大学校・韓国教員大学校、専門大学等)の結果を2022年2月17日に公表した。本制度は、大学等に置かれる教員養成を目的とした学部等を対象とした評価であり、評価結果が次年度の教員養成定員(以下、養成定員)に影響を与えることから、大学にとって重要な意味を持っている。評価の結果、全体で約1,190人の養成定員が削減される見込みとなった。
同評価は、韓国教育部と韓国教育開発院が、教員養成機関における組織的な質の管理と自律的発展を支援するとともに、教員養成機関の規模の調整を趣旨として実施するものである。大学教育の質確保や継続的な質向上を趣旨として韓国大学教育協議会(KCUE)が実施する大学機関別評価認証とは別の枠組みで行われている。

評価の概要

教員養成機関能力診断評価は1998年に開始され、現在は第5サイクル(2018~2021年)にある。ここでいう教員養成機関とは、大学や専門大学(短期大学相当)に置かれる教員養成を目的とした学部・学科や、教員養成単科大学(教育大学校・韓国教員大学校)、教育大学院等を指す。 今回公表されたのは2021年に実施された専門大学等※1に対する評価及び教育大学校・韓国教員大学校に対する追加診断の評価結果であり、受審校数は計114校における174の教員養成機関※2である。教育大学校・韓国教員大学校は第5サイクルの2018年に受審済であるが、追加診断として対象11校すべてが評価を受けた。なお、同評価では毎年機関種ごとに評価を実施しており、2019~2020年は一般の4年制大学が対象となった(本サイト2021/6/22投稿記事)。 評価には専任教員確保率や卒業生の教員任用率などの指標が用いられる。指標の数・内容は機関種により異なり、教育大学における指標数は25である。各機関は達成度に応じてA~Eでランク付けされる。CまたはDランクと評価された機関は一部の機関種を除き2022年度の養成定員が削減される(C:30%削減、D:50%削減)。さらに、Eランクの場合は教員養成機能の廃止となる。
※1 専門大学以外にも韓国放送通信大学や高等教育法以外の法律を根拠とする高等教育機関が含まれた。
※2 今回の評価対象養成機関:
      教育大学、師範大学:教員養成を目的とした学部
      教育大学院(養成課程):教員免許を取得するための課程
      教育大学院(再教育課程):現職教員の再教育を中心とする課程
      専門大学等に設置された教員養成を目的とした学科や教職課程

評価結果の概要

表1:2021年教員養成機関能力診断評価結果

今回の評価の結果、専門大学等の幼稚園教師や保健教師の養成機関を中心に1,194人の養成定員が削減される見込みである。なお、教育大学院(再教育課程)については養成定員削減や養成機能廃止の措置は取られず、専攻新設の制限等が行われる。

第5サイクル全体の評価結果

2018年から2021年にかけて4年にわたり実施された第5サイクル教員養成機関能力診断評価の結果、韓国の大学等に置かれる教員養成機関の養成定員が合わせて4,453名削減されることとなった(表2)。
表2:第5サイクル教員養成機関能力診断評価による削減定員数

教育部は今回の評価サイクルについて、「本評価の基本計画策定段階から教員養成機関と意思疎通を図り、定量・定性区分の評価の実施、評価委員数の拡大等、評価の公正性の向上に努めた」とコメントしている。

なお、2022年上半期中には第6サイクル(2022~2025)の基本計画を発表する予定であり、その策定に向けて教員養成機関や自治体の教育庁等からの現場の意見を積極的に取り入れていくとのことである。

【参考1】教員養成機関能力診断評価と大学基本能力診断評価

韓国政府は2014年に、学齢人口の減少に対応するため「大学構造改革推進計画」を打ち出した。これは、2023年までに大学への評価を通じて大学定員23万人を削減することを趣旨としたものである。大学基本能力診断評価※3(開始当初は大学構造改革評価という名称)はこの推進計画遂行のため実施される評価であり、2014年から2022年までを3期に分け、各期の評価結果に応じて定員の削減を行うものである。 教員養成機関能力診断評価は、2018年開始の第5サイクルより、それまでの「教員養成機関評価」から現在の名称に変更し、大学基本能力診断評価との連携を図っている。具体的には、教員養成単科大学(教育大学校・韓国教員大学校)については、教員養成機関能力診断評価の結果が、そのまま大学基本能力診断評価の結果に反映されることとなっている。

※3 大学基本能力診断評価の詳細については当機構発行「諸外国の高等教育分野における質保証システムの概要 韓国」の15-18ページを参照のこと。また第3期評価の動向については本サイト2022/1/11投稿記事本サイト2021/11/1投稿記事参照のこと。

【参考2】教員養成機関能力診断評価の過去の評価結果

2020年(本サイト2021/6/22投稿記事)

原典:教育部(韓国語)

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