国家資格枠組やASEAN資格参照枠組がもたらす高等教育機関へのインパクトを検証―ベトナム

2017年5月30日から6月1日にかけて、ベトナムのダナンにおいて国家資格枠組(NQF)※1ASEAN資格参照枠組(ASEAN Qualifications Reference Framework:AQRF)(参照:NIAD-QE国際連携ウェブサイト)がベトナムの高等教育にもたらす影響についてSHARE※2のワークショップが開催された。当ワークショップはSHAREのプロジェクトの一環として行われており、今回5回目の開催である。

ワークショップにおけるポイント

  • ワークショップにはASEAN各国から、省庁、大学関係者、産業界まで様々なセクターから参加があり、高等教育分野における国家・地域レベルでのより効率的で包括的な協調について意見交換がなされた。
  • 主なトピックは、国家資格枠組(NQF)の効果を高めるための方法や、その方法をAQRFに波及させる可能性、学生の学習成果の理解の促進や、ベトナムの高等教育機関のカリキュラムの改善可能性についてであった。
  • ベトナムの質保証制度はASEAN地域の質保証の枠組みであるASEAN質保証枠組(AQAF)(参照:NIAD-QE国際連携ウェブサイト)と結びついているため、様々なステークホルダーが現在求めている能力構築や今後求められるとされる能力構築まで把握しやすく、将来構想が立てやすい
  • ワークショップ全体における反応としては、現在の質保証制度の強化や、地域的な枠組みの促進に対する肯定的な意見が主であった。

SHAREプロジェクトとの関係

今回のワークショップはSHAREプロジェクトの一環として行われたが、ASEAN地域各国はこのSHAREプロジェクトを通じて地域・国家の資格枠組を策定してきた経緯がある。SHAREプロジェクトは地域的枠組であるAQRFの他に、同地域の国家資格枠組にも貢献している(本サイト2016/12/22投稿記事)

※1資格枠組とは学位・資格について、学習量、学習成果、能力等を指標として学習の達成水準を段階的に分類する仕組み。学習者の教育の水準を示し、学位・資格の透明性を確保することをねらいとしている。
※2SHARE:European Union Support to Higher Education in ASEAN(EU-ASEAN間の高等教育分野の連携プログラム)
EU(欧州連合)とASEAN(東南アジア諸国連合)による、ASEAN地域内の高等教育分野の協調に貢献するための新たなイニシアチブ。ASEAN諸国間及びASEAN・EU間での学生の移動を支援することを目的とするとともに、資格枠組や質保証、ASEAN地域レベルの単位互換制度についても取り組むこととしている(参照:本サイト2015/4/22投稿記事)

原典: SHARE(英語)

カテゴリー: ASEAN, ベトナム タグ: , , パーマリンク

コメントを残す