シンガポール:私立教育委員会が学習成果や雇用可能性を重視した評価基準を追加

2017年2月21日、シンガポールの私立教育委員会(CPE: Committee for Private Education)は、学生の学習成果や雇用可能性をより重視した規制強化のため、6月1日から私立教育機関を評価する制度「Edu Trust」の基準を従来の6基準から7基準に変更することを発表した。これは、CPEが2016年10月に発表していたもの(本サイト2017年1月10日掲載記事)の追加情報である。

新たに追加された基準は、下記の表の6「在籍学生及び卒業生による成果の達成度」であり、教育機関が学生の学業成績や卒業生の就業率といった成果をベンチマークを用いて国内外の他機関と比較し、提供している授業が改善されているかを評価するものであり、「卒業生就業状況調査」[※] の結果がこの新基準には反映され、卒業生の就業率が高ければより高い評価を得られることになる。この基準が追加されたことにより、下表5と6の配点を合わせたものが、1000点満点中の4割を占めることとなり、従来のものと比べて学生の学習成果をより重視したものとなっている。また、今回の変更に伴い、従来の配点に一部変更がみられる。

7基準と各基準への配点は以下の通りである。(詳細についてはCPEのウェブサイト上に公開されている。)

基準 現行 改定後 変更
1. 運営理念と責任 50 50 なし
2. コーポレートガバナンスと運営体制 180 180 なし
3. 外部リクルートエージェント 120 80 -40
4. 学生の保護と支援 210 200 -10
5. アカデミックプロセスと成績評価 350 250 +50
6. 在籍学生及び卒業生による成果の達成度(新) 150
7. 質保証、モニタリング及び結果 90 90 なし
合計 1000 1000 なし

[※] 卒業生が最終試験を受けてから約6ヶ月後に行われる就業調査で毎年実施されている。シンガポール教育省は進学を検討している学生への情報提供を目的に、正規雇用就業率や正規雇用者の基本月給等を公表している。

原典①:CPE: Committee for Private Educationプレスリリース (英語)
原典②:CPE: Committee for Private Education EduTrustガイダンス資料(英語)

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