フィリピンが高等教育を無償化へ

フィリピン国民を対象に高等教育を無償で提供

ドゥテルテ大統領が法案に署名

学士レベルの学術/職業教育が対象

フィリピンのドゥテルテ大統領は、2017年8月3日、一部の高等教育機関の授業料などを無償とする法案に署名した、と各メディアが一斉に報じた。Universal Access to Quality Tertiary Education Actと名付けられた法律によって、フィリピン国民全員を対象に授業料やその他の経費が無償となる。CNNは、教育無償化のために次年度予算のうち80億ペソ(約175億円)が充てられると伝えている。

この法律によると、無償化の対象となるのは国立の高等教育機関と公立でCHED*1によって認可された大学とカレッジが提供する学士課程レベルの教育プログラム。このほか、国立の職業教育校が提供しTESDA*2に登録された中等後職業教育プログラムも対象となる。
*1Commission on Higher Education (高等教育委員会)
*2Technical Education and Skills Development Authority (技術教育・技能開発局)

無償化の恩恵を受けるのはフィリピン国民で、授業料等の支払い能力がある場合は納付することも可能と条文に記載がある。ただし、すでに学士相当の資格を保持している場合、入学・進級できなかった場合、修業年限+1年以内に卒業できなかった場合などは授業料等の免除は受けられない。

フィリピン政府は国民の高等教育への平等なアクセス機会を整備する方針を打ち出しており、今回の高等教育無償化の措置もその一環である。これは、ユネスコの持続可能な開発目標(SDG)の中の「2030年までに、すべての人々が男女の区別なく、手の届く質の高い(中略)高等教育への平等なアクセスを得られるようにする」(目標4.3)こととも呼応する。

他国の例を見ると、アメリカではテネシー州などいくつかの地方で高等教育が無償となっており、オバマ前大統領もコミュニティカレッジの無償化(本サイト2015年2月23日掲載記事)を打ち出したが在任中には実現しなかった。また、ドイツ(NIAD-QE国際連携ウェブサイト)でも大学の授業料は徴収されていない。

原典①:Rappler
原典②:ABS-CBN News
原典③:Manila Times
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