台湾: HEEACTがAPQNとの国際化共同アクレディテーションを開始

高等教育のグローバル化を背景として、大学や学生の国境を越えた活動が増加しており、それに伴い、質保証機関にとってもこれらの取組の質保証に対する重要性が増している。これまで、アメリカ、イギリス、オーストラリアなどが国境を越えた高等教育に対する質保証活動に積極的に取り組んできたが、アジア地域の質保証機関においても、高等教育の急速な発展に伴い国際化を重視するようになってきている。

こうした状況を背景に、アジア太平洋質保証ネットワーク(APQN)は、2016年に「APQN国際化共同アクレディテーションプロジェクト」(APQN Quality Label as Regional/ International Accreditation of Internationalization Project)を正式に開始した。このプロジェクトは、APQNが、アジア太平洋地域の高等教育におけるモビリティの促進に資するため、高等教育機関の国際化の進展の度合い等の状況に関する評価方法を開発し、当該分野の質保証システムの標準化を目指し推進するプロジェクトである。
台湾の財団法人高等教育評鑑中心基金会(HEEACT)は「APQN国際化共同アクレディテーションプロジェクト」への参加、共同アクレディテーション実施の申請を行い、2017年5月にAPQNの理事会で承認を得た。

※HEEACTでは2014年から、「アクレディテーション輸出計画」を積極的に推し進めており、これまでHEEACTはマカオやロシアの高等教育機関においてプログラム評価を実施し、国境を越えたアクレディテーションの実績を積んできた。

この共同アクレディテーションは、留学生を募集する台湾内の大学を対象とした任意参加のアクレディテーションであり、HEEACTとしては、台湾の大学キャンパスの国際化と、国際化の質保証メカニズムの構築により、台湾の高等教育の国際化の質向上を図り、各大学の国際的認知度と国際的なイメージの向上や、東南アジア等の外国人留学生の獲得に資することを目指している。 また、APQNはアジア太平洋地域最大の質保証機関ネットワークであり、APQNとHEEACTが共同でアクレディテーションを実施することにより、両者から適格認定を受けることで、東南アジア地域の外国人学生の台湾への留学がより魅力的なものになるとしている。

本アクレディテーションの受審費用は約7,500USDとなる見込みである。APQNとHEEACTが共同で評価チームを組織するが、HEEACT側の委員は、従来の機関別評価、プログラム評価の評価委員以外に、台湾教育部や大学からの推薦を受けた有識者や専門家、業界の代表などから選出することとしている。APQN理事会は受審機関に評価結果を通知するとともに、同時にAPQN及びHEEACTの各Webサイトに公表する。

【基準・指標】

「APQN国際化共同アクレディテーション」の基準・指標は、以下のとおり。5つの基準と12の指標で構成され」ている。

基準 指標
1.国際化の任務と戦略 1-1国際化戦略
1-2内部質保証メカニズム
2.組織と管理 2-1組織
2-2管理
3.国際モビリティー 3-1プログラムのモビリティ
3-2学生のモビリティ
3-3教職員のモビリティ
4.学生サポート 4-1奨学金とリソースの提供
4-2人的資源
4-3課外活動
5.学生の学習成果 5-1学術面における達成度と資格
5-2卒業生の成果

【プロセス】

申請⇒ 申請の受理⇒ 自己評価⇒ 書面調査⇒ 訪問調査⇒ 総合審査⇒ 結果の通知

※大学改革支援・学位授与機構では高等教育機関の国際化支援を目的とし、大学機関別評価選択評価事項Cとして教育の国際化の状況の評価を行っている。また、海外で取り組まれている国際化評価や支援活動の事例を機構のウェブサイト「国際連携」に掲載するほか、最新動向を高等教育質保証の海外動向発信サイトQA UPDATESで紹介している。

 

原典:評鑑

原典公開:2017年7月

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