フィリピンとニュージーランドが資格の相互認証に向けた協定を締結
学士レベルの比較を行うパイロット事業実施へ
留学生の交流で実績のある二国間の合意
フィリピンとニュージーランドは両国の資格枠組の比較作業を開始し、将来的な資格の相互認証を目指す協定を結んだ。協定書への調印はASEANサミット開催中の2017年11月14日に両国首脳が立会い、フィリピンの高等教育委員会(CHED)とニュージーランド資格機構(NZQA)の間で行われた。
協定では次の4つの協力項目が明記され、両国の学術交流を深め、学位の比較可能性を確認することを目的としている。
- 両国の教育と資格制度の情報を交換する。その内容には、NZQAとCHEDの役割や所掌、教育プログラムの認可、質保証の情報を含む。
- 両国相互の利益となりうる技術的交流を促進する。
- 両国の資格枠組のレベルを比較する。まずは学士レベルの比較を行うパイロット事業を始める。
- 留学生の福祉と安全に関わる相互の関心に基づく情報を交換する。
フィリピンは、ニュージーランドへの留学生数がASEAN諸国で最大の国。現在も4000人以上の学生が現地で学んでいる。また、国内では学士レベルの高等教育の無償化を行っている(本サイト2017年9月6日掲載記事)。
一方のニュージーランドは、2020年までに最低50か国と資格の相互認証協定を結ぶ目標を掲げる。2017年2月には韓国との間で、両国の中等教育修了資格を相互に認証することに合意した(本サイト2017年4月5日掲載記事)。
資格の相互認証が実現すれば、留学や就職時の手続きが簡素化され、人材交流が活発になることが期待される。