韓国:大学で100%オンラインの専門学士課程・学士課程の規制が緩和

韓国教育部は2022年10月7日、一般大学※1において教育課程のすべてをオンラインで提供する専門学士課程・学士課程の承認対象の拡大と、この制度を活用してオンライン課程を提供する大学を選定するための審査計画を発表した。

2021年の関連法令の改正により、一般大学でのオンライン課程の提供が可能となったが、この時点での対象となる学位課程は「修士課程」と「外国大学と共同で運営される専門学士課程・学士課程」のみであった※2。今回の法令改正により、外国大学との共同運営ではない専門学士課程・学士課程においても、分野を指定して対象を拡大することとし、規制が緩和されることとなった。

※1 大学、産業大学、教育大学、専門大学、技術大学、各種学校。
※2 詳細は、本サイト2022/5/20投稿記事参照。

オンライン学位課程の概要

今回の規制緩和は、オンライン課程の提供に関する根拠法令である「一般大学のオンライン学位課程承認基準」が2022年9月に改正されたことにより実現した。新たに承認対象となった課程は、政府の指定する先端分野(後述)に関する専門学士課程・学士課程である(下表の色付きセル部分)。
表:法令改正前後の承認対象のオンライン課程の比較(韓国教育部の資料を基にNIAD-QE国際課にて作成)

政府の指定する先端分野

人工知能、先端新素材、スマートシティ、ビッグデータ、未来自動車、スマートファーム、次世代(知能型)半導体、エネルギー新産業、フィンテック、次世代ディスプレイ、バイオヘルス、スマート・親環境船舶、次世代通信、オーダーメイド型ヘルスケア、知能型ロボット、IoT家電、革新新薬、航空・ドローン、AR・VR、スマート工場、プレミアム消費財

なお、オンライン課程を運営する大学は、実習を伴う学問分野についても、人工知能等最新の技術を活用しつつ、対面授業と相違のない環境を整備することが求められている。

今後の予定

はじめに2022年下半期に、改正前から対象であった修士課程と学士課程(外国大学との共同運営)の運営大学の選定審査が行われる。次いで2023年上半期に、改正後に対象に追加された専門学士課程・学士課程(先端分野)の審査が行われる予定であり、選定された専門学士課程・学士課程は2024年から運営開始予定である。

尹錫悦政権の国政課題「デジタル人材100万人養成」

2022年5月に発足した尹錫悦政権の国政課題のひとつである「デジタル人材100万人養成」は、デジタル分野や半導体分野に関する知識・技能を備えた、新技術分野の革新的人材の積極的養成を趣旨とするものであり、2026年までにこれらの人材(高卒~博士レベル)を100万人養成することを目標としている。 教育部はこの目標を達成するため、関連する大学院での定員増員のための規制緩和を行うなどして、デジタル人材を積極的に養成するための環境整備に取り組んでいる※3

※3 詳細は、本サイト2022/10/21投稿記事参照。

原典:教育部(韓国語)

カテゴリー: 韓国 タグ: , パーマリンク

コメントを残す