コメント(解説):国際的な共同教育プログラムによって授与されたジョイントディグリー(共同学位)を、進学や就職目的で、資格の同等性の面から審査する際に、審査担当者はその学位をどのように取り扱えばいいのでしょうか。起こりうるケースとその対応策を具体的に示した文書です。本文書の概要は、日本語で仮訳していますので、ぜひ活用ください。
正式名称
Framework for Fair Recognition of Joint Degrees
実施主体
ECA(欧州高等教育アクレディテーション協会)
実施年
2013年
概略
欧州高等教育アクレディテーション協会(ECA)とENIC-NARIC機関※の主導のもと、共同学位に対する公正な認証を促進することを目的として、認証を実践する際の具体的問題点とその対策を示したものが本枠組みである。JOQARプロジェクト内の“認証グループ(Recognition Group)”が策定の中心となった。
リスボン認証条約によって採択された「ジョイント・ディグリーの認証(認定)に関する勧告」では、共同学位の認証を、少なくとも外国学位の認証と同等と扱うように勧めている。しかし、共同学位を認証する際には、膨大な量の情報を扱う必要がある。さらに近年、共同学位の認証に関する問題点が明らかになってきている。
そのため、本枠組みでは、共同教育プログラムや共同学位を認証するにあたって生じうるケースを具体的に明示し、その取扱い方針を、4項目(3.1-3.4が該当)に定めている。
本枠組みは、資格評価者向けに書かれており、共同学位の認証の際に重要になる要素や、起こりうる問題と、その対処方針を示すことで、共同学位の認証の参考となることを意図している。
構成:
1. イントロダクション
2. 前提となる知識
2.1近年の進展
2.2用語の定義
2.3共同学位の普及
3. 共同学位の認証
3.1. 共同学位コンソーシアム
3.2. 共同教育プログラム
3.3. 共同学位の授与
3.4. 共同学位
4. 情報源
5.結びの言葉
付録
1.共同教育プログラムと共同学位の普及
2.共同教育プログラム用語解説
3.参考文献
本書の日本語概要はこちら。
著者: Axel Aerden & Jenneke Lokhoff
編集: Inger Bruun, Peder de Thurah Toft, Hanna Reczulska, Tatsiana Zahorskaya
※ENIC-NARIC(European Network of Information Centres – National Academic Recognition Information Centres):外国の学位・資格に関する情報提供及び評価事業を行っている、欧州地域各国のナショナル情報センター。