【学生中心の学習】学生との協働が求められるヨーロッパ

学生中心の学習

ヨーロッパでは、2015年に「欧州高等教育圏における質保証の基準とガイドライン(ESG)(NIAD-QE国際課まとめ)」 が改正されて以降、 「学生中心の学習(Student-Centred Learning)」が推進され、大学では学生の意見を反映した授業設計等が進められています

学生中心の学習といっても、学生を大学の顧客とみなし、お客様第一主義をとることを推進しているわけではありません。学生、教員、大学職員など多様なアクターが教育方法の改善について話し合う場を作り、協働することが重要なのです。学生が考える学習方法が必ずしも最善のものとは限らないでしょうし、教員もまた学生からのフィードバックを受けずして、教育方法を改善することは難しいでしょう。

※ ESGを満たすことは、 欧州高等教育質保証協会(ENQA)の会員資格の条件です。 2015年の改正で新設されたESGの基準1-3(学生中心の学習、教授及び評価)には「高等教育機関は、学生が学習プロセスの構築にあたって積極的に関与することを奨励し、成績評価はこのアプローチを反映する形となるようにすべきである」と定められています。

「学生中心の学習」に向けた取組

1)学生評価委員

 学生の意見を大学教育に反映させる方法の一つに学生評価委員の活用があります。欧州の質保証機関が学生評価委員を採用する背景には、前述の ESGに「基準2-4 外部質保証は、1名以上の学生メンバーを含む外部専門家グループが行うべきである」と定められていることが挙げられます。たとえば、オランダ・フランダースアクレディテーション機構(NVAO)が実施している機関別評価では、評価チームのうち必ず1人が学生から選ばれています。詳細についてはこちらの記事(本サイト2018年1月25日掲載記事)をご参照下さい。

2)Focus on project

 学生評価委員の他にも、たとえば英国高等教育質保証機構(QAA)はスコットランドで「Focus on project」という取組を毎年実施しています。この取組では、QAAの機関別評価結果に基づいて選定したトピック(「卒業生のスキル」など)について、QAAを中心にスコットランドの全高等教育機関と学生団体の代表が協力し、1年間にわたって調査や事例の周知などを行っています。その成果は、ウェビナーやイベント等で公開され、大学や学生に役立てられています。

 ヨーロッパと日本では文化的な違いがあるものの、日本でも学生の視点を取り入れた大学改革が進めば、これまでにない新たな発見があるのではないでしょうか。

参考:ENQAワークショップ(2018年12月10-11日開催)

(文責 T.T.)

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