韓国大学教育協議会の韓国大学評価院(KCUE-KUAI)は、2022年12月27日に、2022年下半期に行った大学機関別評価認証の結果を公表した。評価認証制度の第3周期の2年目となる今回は50大学が申請し、そのうち47大学が「認証」、2大学が「条件付き認証」、1大学が「不認証」と判定された。
なお、2022年8月には2022年上半期の結果が公表されており、13大学が申請し、12大学が「認証」、1大学が「認証保留」であった(参考:韓国大学教育協議会)。
評価の概要
大学機関別評価認証は、高等教育法(第11条の2)に基づいて実施される大学・産業大学を対象とした評価制度である。評価は教育部長官の認定を受けた機関が行うこととされており、これまで第1周期(2011-2015)、第2周期(2016-2020)、第3周期(2021-2025)のすべての期間において、KCUE-KUAIが認定を受けて評価を行っている。第3周期で用いられる評価項目や2021年の評価結果の概要については本サイト2022/2/4投稿記事を参照のこと。
優良事例
今回の評価では以下の通り6件の優良事例が選定された。選定された優良事例は、各評価周期の終了後に優良事例集として公表されるなど、韓国の大学教育の質改善に役立てられている。大学名 | 評価項目 | 事例概要 |
江南大学校 | 1.3 ガバナンス | 学生モニタリング団「眞見」(参考:大学革新支援事業) |
漢陽大学校(ERICA) | 2.2 教養教育課程 | 現場連携型課題解決教育モデルIC-PBL(Industry-Coupled Problem-Based Learning)(参考:漢陽大学校) |
忠北大学校 | 3.4 教員の教育及び研究への支援 | 単科大学別教授法模索ワークショップ(参考:忠北大学校) |
順天郷大学校 | 4.5 宿舎及び学生向け福利厚生施設 | 順天郷寄宿型学習共同体Living Lab Project:生活と教育の融合を超えた研究の場として(参考:韓国大学新聞) |
韓国工学大学校 | 5.4 学生の就職や起業への支援及び成果 | 学生主導型起業活動組合運営 |
木浦大学校 | 5.6 地域社会との連携及び協力 | 自治体との共同での高等学校留学生募集 |
「不認証」について
大学機関別評価認証の評価結果は「認証」、「条件付き認証」、「認証保留」、「不認証」の4種類。「不認証」と判定された大学は、判定後2年間は受審の再申請ができない。これまで大学機関別評価認証では、第1周期(2011-2015)、第2周期(2016-2020)に1大学ずつ不認証判定を出しており※1、第3周期では初めての不認証となる。なおKCUE-KUAIは「認証保留」、「不認証」の大学名を公表していない。※1 NIAD-QE国際課調べ。
大学機関別評価認証自体の受審は任意だが、評価結果は韓国政府による大学への行財政支援事業等に活用することができるとされているため、多くの大学が受審している。2023年4月時点で155大学が「認証」もしくは「条件付き認証」を受けている※2。
※2 教育部、韓国教育開発院の教育統計年報2022によれば2022年4月1日時点の大学・産業大学の数は192校。
実際に教育部は2022年12月に、教育部の補助事業である「大学/専門大学革新支援事業」の2025年以降の補助金支給要件の一つとして「大学機関別評価認証で認証を受けていること」を設定する方針を発表している(本サイト2023/2/27投稿記事)。
過去の評価結果
2021年(本サイト2022/2/4投稿記事)2020年(本サイト2020/9/11投稿記事)
2019年上半期(本サイト2019/7/29投稿記事)
2019年下半期(本サイト2020/3/4投稿記事)
2018年(本サイト2019/3/8投稿記事)
原典:韓国大学教育協議会(韓国語)